無期限雇用派遣とは、いったいどんな働き方なのか? 雇用形態なのか?
簡単に説明すると、派遣社員にもかかわらず、正社員のような安定性・待遇で働ける雇用形態のことです。
正式名称は「常用型派遣」といいますが、一般的には無期雇用派遣といわれています。
以下の表は、従来の登録型派遣と、無期限雇用派遣の違いを簡単にまとめたものです。
登録型派遣(一般的な派遣) | 無期雇用派遣 | |
---|---|---|
派遣会社との契約 | 派遣先が決まっているときだけ契約関係を結ぶ | 派遣先が決まっていない場合でも契約関係が続く |
安定性 | 低い。派遣先が決まっていないときは無給になる | 高い。派遣先が決まっていないときでも給料がもらえる |
自由度 | 高い。期限を決めて働ける | 低い。正社員のような働き方になるため長期の休みを取れなくなる |
採用ハードル | 低い。簡単に採用してもらえる場合がほとんど | 高い。面接などの採用試験があり、不採用になる場合も |
給料の受け取り方 | 時給制 | 月給制 |
昇給・賞与 | 基本的になし | あり |
続いて、無期雇用派遣の特徴について詳しく解説していきます。
無期雇用派遣の4つの特徴
- 正社員のような安定性・待遇で働ける
- 昇給やボーナスも期待できる
- 採用試験があるため、採用ハードルが高い場合も
- 一般的な派遣のような、自由な働き方はできなくなる
以下で詳しく解説していきます。
正社員のような待遇で働ける
一般的な派遣社員は登録型で、派遣先が決まっているときだけ、派遣会社と雇用契約を結びます。
たとえば1年や2年など、派遣先が見つかると派遣会社から給料がもらえますが、派遣期間が終了すると、派遣会社との契約も終了。給料もなくなります。
次の派遣先が決まるまでは、無給の状態です。
一方、無期雇用派遣は、登録型ではありません。派遣会社に無期限で契約を結びます。
つまり、派遣先が決まっていなくても、派遣会社に雇用されている状態になるのです。
派遣先が決まっていないときでも、派遣会社から給料がもらえます。
つまり、派遣社員でありながら常に給料がもらえるので、正社員のように安定した働き方できるのです。
※無期雇用派遣(常用型派遣)
⇒派遣先が決まっていなくても給料がもらえる
※登録型派遣(一般的な派遣)
⇒派遣先が決まっていない場合は無給
昇給やボーナスもある
一般的な登録型派遣では、基本的に賞与やボーナスはありません。
派遣先によって時給が違うくらいであり、長期で働いたとしても給料が上がることはありません。
一方で、無期雇用派遣は、派遣にもかかわらず月給制で昇給や賞与(ボーナス)がある場合も。
もちろん昇給や賞与は、どの派遣会社に就職するかによって異なりますが、給料が上がるので、モチベーションを高くもって働くことができます。
無期限雇用派遣は、採用ハードルが高い場合も
登録型派遣は、派遣会社への登録に選考がない場合がほとんどで、会話ができて字が書ければ、誰でも登録可能です。
もちろん派遣先での面接がありますが、派遣会社の登録で拒否されることは基本的にありません。
一方で、無期限雇用派遣は、派遣会社に雇われる際に面接などの採用試験があります。
やはり派遣先が決まっていない場合でも給料が発生するので、働く意欲がない人や常識がない人を採用することはできないのです。
いくら無期限雇用派遣で働きたいと思って、不採用になる可能性があると覚えておきましょう。
一般的な派遣のような、自由な働き方はできなくなる
登録型派遣の最大のメリットは自由度があることです。
たとえば、1年間は派遣として働いて、半年は無職で休む、お金がなくなったらまた1年働く、といった働きができます。
つまり、お金が必要なときだけ働く、という自由な働き方が可能です。
一方、無期限雇用派遣は、働きたいときだけ働くということはできません。
働き方としては、勤務形態としては正社員とほぼ同じ。
登録型派遣のように、勤務時間を選ぶことはできません。
週休2日が基本。休日出勤はありませんが、ちょっとした残業が発生することも。
休みがないほど働かされるということはありませんが、1週間以上の休みを取ることはまず不可能です。
無期限雇用派遣は、安定性がある反面、自由度が失われる働き方なのです。
無期雇用派遣のメリット・デメリット
ここで無期限雇用派遣のメリットとデメリットをまとめます。
無期限雇用派遣のメリット
- 雇用が安定しており、収入が途切れる心配がない
- ボーナスや昇給の可能性がある
- 交通費を支給してもらえる
最大のメリットはやはり収入が途切れる心配がないということ。
正社員になれないけど、安定収入を得たいという方に無期雇用派遣はピッタリの働き方です。
無期限雇用派遣のデメリット
- 基本フルタイムでの勤務になるので、自由な働き方ができなくなる
- 採用ハードルが高いので、採用されない場合も
- 仕事を選べない(オフィスワークが多め)
無期雇用派遣の最大のデメリットは、やはり自由な働き方できなくなること。
自由な働き方を目指すなら、無期雇用派遣はやめて、一般的な登録型派遣やアルバイトで働くべきです。
無期雇用派遣があるサイト
サイト名 | 特徴 |
マイナビキャリレーション![]() | マイナビが運営する無期雇用派遣の就職サービス。一般事務から営業事務、総務事務、人事事務、貿易事務、医療事務など、様々な事務職の仕事がある。 |
キャリアウィンク | 大手リクルートが運営する無期雇用派遣サービス。未経験から事務職への就職を目指せる。 |
アデコ | アデコが運営する無期雇用派遣サービス。2.5年以上派遣として働いている人は、簡単な選考を通過して無期雇用派遣をはじめられるのが特徴 |
funtable | 大手パーソルキャリアが運営する無期雇用派遣サービス。ビジネスマナーやPC・コピー機の使い方などを学べる研修があるので、未経験でも安心して働ける。 |