「定時に帰れないのは仕事の効率が悪いからだ。仕事をサッと終わらせることができれば定時に帰れるはずだ」
最近、「残業している人は効率の悪い仕事ができない人である」という意見が一般的になりつつあります。
そして本屋に行けば仕事の効率を高めるための本は山ほど売られており、ネットでも情報は溢れています。
しかし、本当に仕事を効率良くこなすことができれば残業はなくなるのでしょうか。
もちろん仕事を効率良く終わらせれば定時にサッと帰ることができるという職場もあるでしょう。
しかしすべての企業がそうではないでしょう。
早く帰ると仕事を振られる
どの職場にも定時に帰る社員や、暇そうにしている社員に対して「最近仕事が少ないのではないか」と考える人がいます。
その人が定時に帰るために、余裕を持つために努力して仕事を効率化させて暇な時間を作っただけかもしれないのに、仕事を振られる羽目になってしまうのです。
人の仕事をするために仕事の効率を高めるわけではない
仕事を効率化の目的は他人の仕事をするためではなく、仕事を早く終わらせて他のことに時間を割くためです。
だれしも他の人を手伝いたいと思うほど優しくはないでしょうし、仕事が好きなわけではありません。
暇のそうな人を見つけて仕事を振る人がいる限り、仕事を効率化したところで帰る時間なんて早くならないのです。
帰れない雰囲気
これはよく言わることかもしれませんが、やはり残業がなくならない理由の一つとしてあるのが残業する空気です。
残業が当たり前の職場で、一人だけ仕事を早く帰ると「空気を乱した異端者」と見られるのではないかという不安を抱きがちです。その不安から仕事が終わっても帰りづらい雰囲気が生まれます。
「意外と周りは気にしてない」そういった意見もあるかもしれませんが、いまだに早く帰る人に対して「自分はこんな頑張っているのに」そう思う人がいるのは確かです。
そんな目で見られるのならば、異端者扱いされるのならば、周りと一緒に残業をして仲良くやっている方がいいということになってしまいます。嫌われ者になると人に助けを借りづらくなるかもしれませんし、会社に来ることが嫌になるかもしれないのですから。
そうなると仕事を早く終わらせることには何の意味もなく、いくら仕事を効率化させたところで早く帰ることなんてできないのです。
労働時間の長さが評価される
「労働時間より成果を重視すべき」という意見が一般的になりつつあるのにもかかわらず、労働時間の長さを評価する人はいまだに健在です。むしろそういう人に方がまだまだ多数派のような気がします。
早く仕事を切り上げることが評価につながらないのなら、仕事を早く終わらせる意味はなくなります。
仕事を効率化させたところで早く帰ることなんてできないのです。
自分だけが仕事を効率化させても意味がない
結局、自分だけが仕事を早く終わらせたところで意味がないことになります。
仕事を振る人もそうです。仕事を振る時はその本人が忙しいからであり、その人が仕事を効率良くこなし余裕があるのなら誰にも頼まず自分でこなすはずです。
また、帰れない雰囲気についても同じで、全員が仕事を効率的に終わらせ、早く帰るようにならなければ、帰れない雰囲気をなくすることなんてできないでしょう。
全員が早く帰るようになれば、労働時間の長さが評価されることはなくなるはずです。そして定時内でいかに成果を上げたかが評価の対象になるでしょう。
結局、どれだけビジネス書を読んで、仕事の効率を上げたところで、周囲が効率良くならないのであれば帰る時間は変わらないのです。
これが当てはまらない職場もあるでしょう。また、仕事の効率化に努めることで自分を鍛えることができるというメリットはあります。
しかし残念ながら集団意識が強く、和を尊重し、根性論を愛する日本企業では仕事の効率を高めることが何の意味もなさず、結局労働時間は変わらない結果になってしまう場合があるのです。
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