実体験から語る【実家暮らしの3つのメリットと3つのデメリット】

「子供部屋おじさん」などと、成人した人間の実家暮らしは何かと揶揄されがちだ。しかし実家暮らしには、1人暮らしにはないメリットがたくさんある。これは確実にいえる。

ちなみに僕は約29年の間、実家暮らしを経験した。現在は事情があって実家を出たが、それまでは、立派な子供部屋おじさんだった。そんな僕が考える実家暮らしのメリットする。

目次

実家暮らしのメリット

メリット1:お金がかからない

実家暮らしの最大のメリットはお金がかからないことだ。

都内で1人暮らしをする場合、家賃で7万前後、光熱費で1万、食品で2万円で毎月10万くらいかかる。

他にも通信費や交際費、その他保険やら何やらを入れると15万~20万はかかる。

さらに賃貸の場合、契約更新のたびに更新費用という、まったく意味のわからない費用が発生したり、引っ越すならとんでもない額の引っ越し費用がかかる。

ご存知だとは思うが、1人暮らしはとんでもなくコストがかかるのだ。

初めて1人暮らしをしたとき、その初期費用の高さに愕然とした。もらったボーナスがすべて初期費用に消えてしまったのだから。

実家暮らしなら住居にかかる費用はゼロ

しかし実家に住めば、家賃はゼロだ。わけのわからない更新費用や、敷金・礼金もない。光熱費だって基本的にない。優しい家庭なら食事もついてくる。

家にお金を入れるにしても、一人ぐらいするほどのお金はかからない。大雑把に見積もっても、年間100万円くらいは節約できるだろう。

年間100万円。10年で1000万円差ができる。

とんでもない金額だ。一人暮らしにそれほどの価値があるのだろうか。それは人それぞれではあるが、一人暮らしをするなら絶対に考えておくべき事案だ。

自由に使えるお金が増える

前述の通り実家暮らしをすることで、大雑把に見積もって年間100万円ほど経済的に余裕ができる。

このお金を自分のために使えるのは非常に大きなメリットだ。

スキルアップのために習い事をはじめてもいい、起業するために個人事業をはじめてもいい。新しいことを学ぶために大学院に入ってもいい。

将来のために株や土地に投資したっていい。もちろん娯楽に使って精神衛生を向上させ、日本経済を回すのもいいだろう。

なんであれ、自由に使えるお金が増えことで、自分の可能性を広げることができる。

無理して一人暮らしをすれば、そんな余裕はなく、毎日Youtubeで低質な無料動画をみるかしかできないかもしれない。

お金は可能性を買うための道具だ。多いに越したことはない。

家賃は消費

支出をその性質別に「浪費」「消費」「投資」に分類するならば、家賃は消費は。つまり、リターンが見込めない支出なのだ。

実家ぐらしを選べば、消費に消えていたお金を、投資に回すこともできる。そして当然だが、投資はリターンを生むこともある。

株や投資信託といった投資だけではない。本やセミナーといった自己投資も大きな利リターンを生み出す可能性がある。

自己投資をして身につけた知識やスキルは、誰にも取られないものとして、将来あなたに利益をもたらしてくれるかもしれない。

明日会社が倒産するかもしれない。明日クビになるかもしれない。日本が破綻するかもしれない。

先行き不透明な状況が続く、日本で、家賃に膨大なお金を消費し、自分のためにお金を使えないのはもったいないと思わないだろうか。

自分に多くの額を投資できるのは、実家ぐらしの非常に大きなメリットだ。

メリット2:経済的余裕のおかげで、心理的にも余裕になれる

1人暮らしをした場合、家賃を払えなければ当然家を追い出される。

十分な収入と蓄えがあるなら良いが、そうでない場合は「無駄づかいはできない」「節約しなければいけない」と、お金の心配を抱えて生活することになる。

こんな切羽詰まった生活では、心に余裕なんてものは持ていない。

余裕がなければ新しいことへの挑戦にも躊躇してしまうし、悪いと分かっているにもかかわらず現状維持を選んでしまうことがある。

たとえば日本には、ブラック企業を辞めらない人が一定数いる。最終的に、精神的を病んで退職せざるを得ないようになってしまったり、最悪の場合、自死を選んでしまうことも。

そういった状況なってしまう理由の1つは、金の心配があるからだろう。

もし収入がなくても数年生活できる貯金があったら、
収入がなくても面倒をみてくれる家族がいたなら、

ブラック企業にしがみつくことはなかったかもしれない。

ブラック企業の例だけではなく、「起業したい」「フリーランスになりたい」といった願望がある場合でも、お金に余裕がなければ、挑戦する前に諦めてしまう。

「明日の生活が心配」という切羽詰まった状況では、リスクを取るなんて無理だ。逆に経済的に余裕があれば、心理的にも余裕が生まれる。余裕があれば、ブラック企業にしがみつくこともないし、色々な挑戦だってできる。

メリット3:親に万一のことがあってもすぐに対応できる

親のそばにいられるのは、人によっては大きなメリットだろう。

親があるていどの年齢ならいつ倒れてもおかしくない。昨日まで元気だったのに…などということはいつだってありえる。物騒な話だが、若くたって突然死ぬ可能性があるのだ。高齢ならなおさらだ。

万一のときにすぐに対応できるかどうかは、生存率にかかわってくることもある。そばに人がいるというのは、とても重要なことだ。

また、話し相手になってあげられるのも大きなメリットだ。

日本には、成人したら実家を出るのがあるべきだという価値観がある。実家をでて自立することが親孝行であるという価値観も。しかし本当にそうだろうか?

本当に親を大切にするなら、親のそばにいてあげるのが親孝行なのではないだろうか。

実家に住まわせてもらうぶん、親の面倒をみたり、話し相手になってあげたり、万一のとにすぐに駆けつけたり、お互い協力しあって生活できる方が現代的ではないだろうか。

「孤独」が社会問題になっている現在、せっかくの家を出て、それぞれが別に暮らすことを良しとする価値観は明らかに間違っているのではないだろうか。

実家暮らしのデメリット

実家ぐらいには当然、デメリットもある。実家暮らしを望むなら、当然、そのデメリットも乗り越えていかなければいけない。

デメリット1:世間体が悪い

ご存知かとは思うが、実家暮らしは世間体がよくない。特に男性の実家ぐらしは、特別な理由がなけ限り、アウトだとされている。

マイナビの調査によると、「1人暮らしと実家暮らしの異性なら、どちらと付き合うか?」という質問に対して、9割以上の女性が「1人暮らしの男性と付きあう」と回答したそうだ。

※参考:【専門家監修】実家暮らし男性と結婚しても大丈夫? 何歳までOK? メリットは?

やはり、社会人になって実家暮らしだと、

「生活力がない」
「いざというときに頼りにならなさそう」
「マゾコンぽい」

といった印象を与えるらしいのだ。実際、僕もそういった見方をされた経験はやまほどある。

また同性の1人暮らしからマウントされることもある。謎の「1人暮らしは偉い」信仰があって、ことあるごとに「でも実家暮らしでしょ?」「これだから実家暮らしは」などと見下されるのだ。非常に不愉快な思いをすることは間違いない。

もちろん無視すればいい話なのだが、世間体が気になる人にはきついかもしれない。

「モテたいから1人暮らし」は無駄

「実家を暮らしだとモテないので」という理由で1人暮らしを選ぶ人がいるが、正直それはおすすめできない。なぜなら、1人暮らしをしたところで、モテるとは限らないからだ。

そもそもモテないのは実家暮らしが原因なのだろうか。実家を出て1人暮らしをすれば、途端にモテるようになるののか。すべての一人暮らしがモテているのか。

そうとは限らないだろう。実家暮らしでもモテる人はモテる。マザコンだろうが子供部屋おじさんだろうが関係ない。

モテる方法を考えている暇があったら、自分に投資し、自分磨きをすべきだろう。

デメリット2:親に依存せざるを得ない

家のお持ち主はたいてい親だ。自分のものではない以上、実家での暮らしは、持ち主である親の意向に左右されてしまう。

口うるさい姑のような親ならば、そのストレスは計り知れないだろう。家賃を惜しまずひとり暮らしをしてしまったほうが楽だろう。

また寛容な親であっても、その親がいつまでも健在とは限らない。前述の通り、ある程度の年齢ならいつ倒れてもおかしくない。

親がいなくなった時、その家はどうなるのか。相続の話し合いによっては、家に住めなくなる可能性がある。

家が自分のものになったとしても、固定資産税がのしかかる。ローンが残っているならその支払も負うことになる。

親の家に住んでいる以上、その生活は少なからず親に左右される。実家ぐらしをするなら、そのリスクを勘定に入れておかなければいけない。

デメリット3:親の介護がある

人によってはメリットになるかもしれないもので、これをデメリットとしてしまうのは、心無いかもしれない。しかし一般的にネガティブに語られることが多いので、デメリットとして紹介されてもらう。

ある程度の経済的に余裕と親との合意があれば、介護施設で暮らしてもらうこともできるだろう。しかし誰もがそんな余裕があるわけではない。

実家に住まわせてもらう以上、持ち主の面倒をみてあげることは当然の義務だろう。

もちろん、親に介護は1人暮らしをしている場合でも、迎える瞬間ではあるが。

実家暮らし可能ならそうするべき

実家暮らしができるなら、積極的に実家暮らしをすることを個人的にはおすすめする。

基本的に1人暮らしは、家賃がかかるだけであなたにとってメリットは少ない。払った家賃は大家の懐に入るだけだ。

見ず知らずの大家の懐を潤すくらいなら、自分に投資したほうがいいだろう。

自己投資などという意識の高い使い方ではなくてもいい。ゲームを買ったり、飲みにいくでもいい、どうせなら自分のために使ったほうがいい。

その方が精神的だし、投資した分のリターンがあるなら長い目でみても経済的だ。

必ずしも家にお金を入れる必要はない

実家暮らしをするにあたって家にお金を入れる人がいるが、必ずしもそうする必要なないだろう。

もちろん自発的に家にお金を入れたいというなら結構だし、また親の生活が苦しそうなら、親の生活を楽にする意味でも家にお金を入れるは良いことだ。

しかし、「両親とも余裕のある暮らしをしている」「家にお金を入れる必要性を感じていない」というなら無理に、家にお金を入れる必要はない。

親に貯金されても、相続税で国に取られてしまう

たとえば家に入れたお金を、親が貯金したとする。

そのお金は親が亡くなったとき、誰かが相続することになる。それはあなたとは限らない。遠い親戚かもしれない。家にお金を入れたのは、遠い親戚にお金を渡すためではないはず。

しかも相続するときは、相続税がかかる。あなたが一生懸命、家にお金を入れても、それを貯金されてしまうと、親戚の懐に入る可能性があるし、そうでないにしても相続税で国に徴収されてしまう。

自分が良かれと思って渡したお金が、税金で取られるのは非常にもったいない話だ。遺産など残さず、全額使ってほしいものだが、実際はそうはならないだろう。

あなたが家に入れたお金は、少なからず相続税として国に徴収されることになる。ほぼ確実に。それでも家にお金を入れることは妥当なのだろうか。

それならば自己投資に回したり、貯金したり、金融資産に投資したり自分のために思い切り使い、親になにかあった時に助けてあげるほうがいいのではないだろうか。

介護施設に入ることを望むならそのお金を出してあげるとか、欲しいものがあるなら買ってあげるとか。

親に旅行をプレゼントしてもいいだろう。その方がよほど親孝行なはずだ。

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