長時間労働や給料の未払いといった違法行為を行う企業の求人が、求人サイトに掲載されるのはなぜか?
その理由は、ブラック企業があると就活サイトは儲かるからです。ブラック企業は労働者にとって完全に敵です。
しかし、そんなブラック企業の存在によって潤う産業があります。それが就職・転職産業です。特に求人サイトを運営する企業にとって、ブラック企業は実にありがたい存在です。
ブラック企業のおかげで就職ナビサイトは儲かる
ブラック企業の存在は求人サイトは潤わせます。なぜならブラック企業は頻繁に求人を掲載してくれるからです。
ブラック企業は頻繁に求人を掲載してくれる
求人サイトは、求人を掲載する際に料金が発生します。企業は「〇〇ナビ」「〇〇ワーク」といったサイトにお金を払い、求人を掲載します。求人サイトを運営する企業は、たくさん求人を掲載してくれる企業が多いと儲かります。
さて、ブラック企業はよく人が辞めるので常に人手不足です。常に人手不足だからこそ、常に求人サイトに求人を掲載します。
頻繁に求人を掲載してくれるブラック企業は、求人サイトにとってはお得意様なのです。
就活産業が作るメディアにお金を払っているのは、採用企業であって、就職活動している学生ではありません。
お金さえ払ってくれるなら、その企業が労働基準法を守っているかなど関係ありません。
※「就活」という広告ビジネス p12
もちろん明らかに違法行為がみられる企業の求人がサイトに掲載されることはないでしょう。コンプライアンスや倫理があるので。
一方で表面上は普通の企業であり、お金をしっかり払ってくれるなら、求人サイトはどんな企業の求人も掲載するでしょう。
そしてサイトには「夢を応援」「アットホームな職場」「成長できる会社」「業界トップクラス」など聞こえの良い言葉が並び、多くの人が吸い寄せられていきます。
ミスマッチで就活産業は潤う
さらにいえば求職者がブラック企業に流れていくのは、就活産業にとって好ましいことです。なぜならミスマッチが多ければ多いほど、就活産業は潤うからです。
ミスマッチがあれば、労働者はより良い職場を求めて転職します。その際利用するのは求人サイトです。
また企業側が人が辞めれば新たに採用する必要があります。その際利用するのは求人サイトです。
ミスマッチが多ければ多いほど、求人サイト、及び就職サービスを利用する人、企業が増えます。
つまり、ミスマッチは就職・転職産業にとって儲けの種なのです。言い換えればミスマッチがなければ、稼げないのが就職産業であるともいえます。
新卒就職がうまく行って安定雇用が実現したのでは、転職紹介会社は手数料を受け取ることができませんし、人材派遣会社は儲けることができなってしまうからです。
就活産業は自らの儲けのために不適切な採用方法を、企業と学生に強いているのです。
※「就活」という広告ビジネス p42
求人サイトは単なる「広告」であることを忘れるな
これから就活をする人、転職活動を行う人は「転職サイトや就活サイトの情報がすべて広告である」ということを忘れないようにするべきです。
すべての情報が広告であるという認識を持つだけで、なにが書いてあろうと静観できます。就職サイトの一方的な情報に振り回されることもないでしょう。
前述の通り、就活サイト・転職サイトにとって、求人を頻繁に掲載してくれるブラック企業は得意様です。
そして企業と人のミスマッチは、就活産業にとって儲けの種です。
故意に作られた人気企業ランキングを発表したり、「あなたに興味を持っている企業です」と名打ったスカウトメールを送ってきたり。
これらの情報を振り回されてしまうと、ブラック企業に入社してしまう可能性もあります。転職サイト・就活サイトは求人を出す企業、就活産業によって一方的に発信されている情報です。
このことを頭に入れた上で、求人情報に騙されないように注意して、自分に本当にあっている企業を選ぶようにしましょう。
※ブラック企業を見抜く方法は以下のページで紹介しています。
また本記事で紹介した内容は以下の本を参考にしています。
就活と広告ビジネスの繋がりがわかる内容になっています。転職活動や就活に直接的にかかわる内容ではありませんが、読んでおいて損はないと思います。