「経験・スキル・現職に関する面接質問」9つの例と回答の仕方、回答例

経歴やスキル、前職(現職)に関する質問9つの例と回答の仕方、回答例


「仕事内容は?」
「失敗談は?」
「実績や評価は?」

など前職の仕事内容やこれまでの経歴に関する質問について、答え方や回答例を紹介します。

失敗しないように質問例だけでもチェックしておくようにしましょう。

目次

退職理由(転職理由)を教えてください

採用側が退職理由・転職理由から確かめたいのは以下のこと。

  • すぐに辞めないかを判断するため
  • 「仕事において何を重視するのか?」を確かめるため
  • 人間性や性格を確かめるため

重視されるのは「すぐに辞めないか?」ということ。

「自分のすぐに辞めることはない」という意思を伝えられるように、退職理由は考える必要があります。

前職の誹謗中傷はNG

とくに注意したいのは、「前職の悪口・批判にならないようにする」ということ。

上司が悪い、会社が悪いといった内容の発言をしてしまうと、「また同じ理由で辞めるのではないか?」「気に入らないことがあったらすぐに辞める人なのか?」といった疑いを持たれます。

また、会社都合退職の場合は、率直に伝えて問題ありません。むしろ採用側も率直に伝えてほしいと思っています。

【回答例】
自身の思い描く今後のキャリアデザインと、会社の考え方や方針が違っていると感じたので、退職いたしました。

私が前職への就職を決めたのは、営業で経験を積んだら商品開発部へのキャリアパスがあると、採用時に説明されたからです。しかし実際、社内異動はかなり困難であることがわかりました。それでも上司や人事に希望を伝えてはいたのですが、希望が通った例はめったに無いということもしりました。

この会社では自身のキャリアデザインを絶対に実現できないと悟り、退職を決意しました。

※出典:退職理由・転職理由を作り方と退職理由の例を解説

以下のページでは退職理由の作り方について、さらに詳しく解説しています。

これまでの経歴(仕事内容)について説明してください

仕事内容は職務経歴書を読めばわかります。なぜ面接で仕事内容を質問されるのでしょうか?

その理由は、「普通に説明したら長くなる職務経歴をいかに簡潔に説明できるか?」「職務経歴書に書かれていない要素を加えられるか?」を確かめるためです。

つまりは、プレゼン力を確かめたいわけです。

簡潔に回答する

回答のポイントは下記の2点です。

  • 回りくどい表現や曖昧な説明をしないこと
  • 企業が求めている業務経験を簡潔に答える

何より簡潔に回答することが重要となります。

目安としては3分です。

3分で職務経歴の説明を終えるようにしましょう。

「一口には説明しにくいのですが……」などと回りくどい前置きをする必要はありません。

【回答例】
大学卒業後、システム開発会社に2年勤務した後、〇〇商事に転職しました。

ここで約4年勤務し、生命保険の営業を経験しました。

主に個人客を相手にしておいり、法人営業の経験はありません。業務のほとんどが飛び込み営業とテレアポであったため、相手に断られたり、罵倒されたりしてもめげない強い精神力を養うことができました。そのおかげで、支社で2位の営業成績を残せたのは、大きな成果だと自負しております。

前職の経験とスキルを御社でも活かしたいと思っています。

○○の経験はありますか?

単純に特定の業務経験の有無を尋ねる質問です。

経験がないからといって不採用になるわけではないので、経験がない場合も諦めずに回答するようにしましょう。

経験があるかないか、だけでなく仕事内容を具体的に伝える

回答する時は、経験のある・なしだけで終わってはいけません。

経験がある場合は、仕事内容を具体的に伝えて、経験やスキルレベルがわかるよう回答します。

また経験がない場合は否定的な言葉は使わず、類似業務の経験や基礎知識があることや、現在スキルの習得中であることをアピールしましょう。

【経験がある場合の回答例】
はい。前の職場では営業関係の資料をエクセルで作成していました。また関数を使って入力の省略や自動集計などを効率的に行えるように工夫しておりました。」

上記のように、業務に対する取り組み方や工夫したことなどを加えた方が好印象です。

【経験がない場合の回答例】
残念ながらライティングは別部署の担当でした。しかし外注ライターの管理や指導を担当してきましたので、ライティングに必要な基礎力は身についていると自負しております。

これまでの実績や評価について教えてください

この質問で面接官が知りたいのは、実績や評価そのものではなく、「実績や評価がどのようにして生まれたのか?」です。

それを探ることで、成功から学び、その学びを次の成功に活かせる人なのか?(成功から学べる人か?)

それとも成功かなら何も学ぶことなく、行き当たりばったりで仕事をしている人なのか?(成功から学べない人か?)

このどちらのタイプの人間なのかを判断します。

企業がほしいのは当然、前者。成功から学ぶタイプの人です。

問題発見や具体的な取り組みを語る

実績・評価を得るためにどのような工夫をしたのか、どのような点に着目して行ったのかなど、具体的な取り組みを語りましょう。

たとえば、営業であれば、

「今までの営業では、製品を販売したお客様へのアフターフォローを怠ってきました。既存のお客様にこまめに連絡を入れることで、新たに注文をいただき目標を上回る成果を達成できました」

といったように、既存の営業にある問題を発見し、改善に取り組んだことを話すのです。

また、特別な工夫や、問題改善などをしたわけではなくても、「日頃から○○を心がけていおり、それが結果として、○○という評価につながりました」といった回答も効果的です。

くれぐれも単なる自慢で終始したり、「実績はない」と回答したりしないようにしましょう。

【回答例】
イベントをPRするWEBサイトの制作を担当した際、アンケートフォームを新たに入れることにより、目標の4倍以上の来場者を獲得することができました。今までのサイトは、イベントのみどころと詳細情報を記載しただけのものでした。

しかし新たにアンケートフォームを入れ、その結果がイベントでわかる、という仕掛けを入れることにより、SNSで自然と口コミが広がり多くの方にイベントに来場していただきました。

キャリアプランについて教えてください

キャリアプランを聞かれるのは、応募者が自社の利益に貢献してくれる人材かどうかを確認するためです。

たとえば、キャリアプランと企業の方向性が一致していると、面接官は「自社の利益に貢献してくれそうだ」と考えられます。

つまり、企業の方向性や価値観を意識した回答が必要となります。

短期的なキャリアプランを語る

面接官が知りたいのは、「入社後活躍してくれそうかどうか?」です。

そして「活躍してくれそうだ!」と判断してもらうには、以下の2つが大切です。

  • 入社して数年間のキャリアプランを語る
  • 企業の利益と一致したキャリアプランを語る

遠い未来のキャリアプランは現実味がないので、活躍している姿がイメージできません。

ですから、入社して3年間くらいのキャリアプランを語るようにしましょう。

また前述の通り、企業の方向性と一致したキャリアプランである必要があります。

「将来は起業したい」といった自己中心的なキャリアプランを語らないように注意しましょう。

【回答例】
入社後の3年間は、目の前の業務に真摯に向き合い、御社の営業スキルをしっかり身につけ、できるだけ早く御社の営業や商品、サービスの詳細まで理解できるようになりたいと思っています。

そして仕事の全体が見えるようになりましたら、できるだけ早く管理職につき、そして御社の営業戦略の立案や実行ができるが人材になりたいと考えています。

業務上、苦手なことは何ですか?

苦手なことを聞く理由は、「業務を問題なくこなせるか」「自分の苦手業務をきちんと把握できているか」を確かめるためです。

回答内容によっては、「うちの仕事にはついていけないかもしれない」と判断され、不採用になる可能性があるので、慎重に回答する必要があります。

苦手なことを素直に答える

ネガティブな部分のことなので、正直に答えるべきか迷うかもしれませんが、正直に苦手な分野について回答すべきです。

誰でも苦手な分野があるものです。「苦手なことはありません」と答えても信憑性がありません。

業務に影響しないものを回答する

入社後の業務に影響しないものを回答しましょう。

たとえば、新規開拓が8割の営業職で、「初対面の人と話すのが苦手です」というのは致命的です。

この場合、「見込みのないお客様に売り込むのが苦手です」くらいに、ぼやかして回答するべきです。

【回答例】
苦手な業務は飛び込み営業です。新人の時には、毎日数十件、飛び込みで営業を行っていましたが、相手の事情も把握しない状況で、片っ端から訪問するのは苦手な経験でした。

なんとか成約をとれないかと、自分なりに試行錯誤しましたが、あまり取得率は伸びませんでした。今、この業界では、飛び込み営業の効率があまりにも悪く、また会社の信用問題にも関わってきますので、下火になっていると聞きます。

実際ネットを利用した集客が現在では主流だと聞いております。もちろん、必要があるのであれば飛び込み営業もこなしていく覚悟はあります。

困難に直面した経験を教えてください

面接官が知りたいのは、困難の大小ではありません。

  • 困難を乗り越えるためにどんな行動をとったか?
  • 困難から何を学び、どう成長しているか?

上記のようなことです。

「失敗から学んだこと」は応募企業の仕事で活かせることを語る

「今まで困難に直面したことはありますか?」と質問された時に回答するべきことは以下の3つです

  • 困難の内容
  • 困難をどのように対処したか、どのように乗り越えたか
  • 困難を乗り越えた経験から何を学んだか

「学んだこと」を話す際は、応募職種・応募企業に関連させましょう。

たとえば営業職に応募しているのであれば、

「お客様に誠心誠意向き合うことの大切さを学んだ」
「とにかく量をこなし、交渉の場に慣れる大切さを学んだ」

といったように、応募職種と関連させて話すと、面接官は活躍する姿をイメージしやすくなります。

【回答例】
成績が上がらず、退職せざるを得ない状況に追い込まれたことがあります。同期や後輩が、次々に成果を上げるなか、私は全くといっていいほど、成績を出すことができず、この仕事に向いていいないのではと思うこともありました。

結果を出せない人は、自ら退職せざるを得ない雰囲気の会社でしたが、入社3年面ということもあり、辞めて転職先が決まるのかという不安がありました。思い悩んでいても、状況は改善しないので、あと3ヶ月間、とにかく頑張ってみようと決心して仕事に取り組みました。

テレアポに関しては、社内の誰よりも件数をこなすことを目標にし、さらに訪問件数も、それまでの倍の件数をこなすことを目標にしました。最初の1ヶ月は結果に結びつかず辛い時期もありましたが、徐々に商談が増えていきました。

この経験から、自分はこれまで、量をこなすことがたりなかったのだと反省し、以降、とにかく人一倍の量をこなすことに注力して仕事に取り組んでおります。今では、社内で表彰を受けるほどの実績を残せるまでになりました。

失敗談を教えてください

なぜ失敗談を聞かれるのか?

その理由は、以下の3つを確かめるためです。

  • 仕事に積極的な人か?
  • 問題解決に積極的な人か?
  • 自責的な人間なのか? 他責的な人間なのか?

端的にいうなら、「仕事に対して積極的な人かどうか?」を失敗談から判断したいのです。

失敗をどう克服し、何を学んだのかを重点的に答える

答えるべきは以下の2つ。

  • どんな失敗をしたのか?
  • その失敗をどう克服し、失敗から何を学んだのか?

大切なのは失敗の内容よりも、「どう克服し何を学んだのか?」です。

「どう克服し何を学んだのか?」を重点的に語るようにしましょう。

【回答例1】
「テレビ番組で取り上げあれたことがきっかけで、弊社の商品が在庫切れを起こして販売機会をロスしたことがあります。メディアの露出など、注文が殺到する事態が起きた場合の対等法やルールを明確化していなかったため、不測事態に対応が遅れてしまいました。その反省からメディアへの露出情報は誰がキャッチしても全社員に同報メールを流すよう、ルールと仕組みを提案して、実施するようにしました」
【回答例2】
「上司に失敗をとがめられ、つい言い訳をしてしまうことがありました。上司には『自分でトラブルを処理しなければ成長できない』と突き放されることもありました。それからはトラブルを報告する時は、自分で考えた解決策も併せて報告するようになりました」

前職は円満退社でしたか?

退職の仕方を質問することで、問題がある人ではないか、責任感をもって仕事に取り組む人かどうかを判断します。

円満退社でなければいけないということではありません。

ただし、円満退社ではない場合に注意が必要です。

問題のある人間だと思われないように注意する

円満退社である場合は、「円満退社でした」と回答すれば問題ありません。

円満退社ではない場合は、以下の点に注意しましょう。

  • 会社、職場環境、上司の悪口はいわない
  • 問題のある人間だと受け取られる回答はしない

「あまりに酷い労働環境でしたので、ばっくれました」
「上司に来なくていいといわれましたので、その次の日から出社していません」
「上司と激しい口論になり、その場で退職します、と伝えました」

上記のような回答をしてしまうと、「自社でも同じようなことをするのではないか」と思われてしまいます。

実際、ばっくれて退職した場合でも、「退職に際して上司と口論になることもあったので、決して円満退社とはいえませんが、社内規定に沿った退職手続きと引き継ぎも済ませた上で、退職しております」と回答するようにしましょう。

【回答例】
退職当時、上司と口論になることがありましたので、円満退社ではありませんでした。率直に言うと、今での釈然としない思いを引きずっております。

しかし、前の会社には、私を一人の社会人として育てて頂いた恩もありますので、本当に感謝しています。この先、転職先が決まり、自分の気持ちが落ち着きましたら、前の職場にはきちんと挨拶に伺い、しっかりとけじめをつけたいと思います。

目次