一見、まともな志望動機であっても、考え込まれた志望動機であっても、面接官にまったく響かない場合があります。
いったいどんな志望動機なのか?
「志望動機のNG例」と題してその具体的な例を紹介します。
NG例1:御社の事業内容に興味があって志望した
そもそも事業内容に興味がなかったら応募しません。
わざわざ伝える必要のないことです。ゆえに「御社の事業内容に興味がある」だけではまったく志望動機にはなりません。
事業内容のどこに興味があるか、といった具体的な部分までしっかり伝えるようにしましょう。
その他「御社の将来性に期待して志望しました」「御社の製品に注目しております」といった志望動機も同じく、響かない志望動機です。
将来性に期待していない企業をわざわざ受ける人はほとんどいません。商品にまったく関心がない企業を受ける人はいません。
これらの志望動機の場合は、その会社のどの事業に期待しているのか、どの製品に特に関心があるのかといった具体的な内容にしましょう。
NG例2:どの会社でも通用する志望動機
「自宅が近いから」「月収○○円以上だから」「お客様の姿が見えるから」といったどの会社でも通用するような志望動機はNGです。
志望動機はその会社である必然性を伝える必要があります。つまり、「その会社でなければならない理由」です。
必然性のある志望動機を述べるためには、
- 業界の魅力
- 相手企業の魅力
- 職種の魅力
この3つを押さえ、そこで自分に何ができるかまで考えるようにしましょう。
「御社では業界で最もユーザー数の多い、WEBサービスを展開しております。ユーザー数が多いということは、そのユーザーに対してWEBサービスだけでなくもっと様々なニーズ、例えば○○や××といったサービスをWEB上で展開することができると考えております。」
「このような大きなユーザー集団を持つ企業において、新規事業開発に取り組んでみたいと考えています。」
上記の例に加え、職種の魅力を伝えられるようにすると「その会社でなければならない理由」を効果的に伝えることができます。
NG例3:人と接する仕事がしたくて志望した
対人業務はどんな仕事にもあります。人と接しない仕事などほとんど存在しません。
「人と接する仕事がしたい」というのは「お客様に、直接かかわれる仕事がしたい」ということだと思います。まずはそのように訂正しましょう。
その上で「接客業務で、自分のスキルや経験をどう生かすのか?」といったことまで説明するようにしましょう。
「人の役に立つ仕事をしたいと思ったので」という志望理由も同様です。人の役に立たない仕事は存在しません。別の志望動機を考えるようにしましょう。
NG例4:「憧れていた業界」「好きだから」などの志望動機
「憧れていた業界だから志望した」
「好きなことだから志望した」
などの志望動機はNGです。
憧れや行為を抱くのは悪いことではありません。しかし企業が求めているのは、憧れている人ではなく、利益に貢献してくれる人です。
また、志望動機で答えるべきことは「なぜその企業を志望したのか?」です。しかし「○○が好きなので」は、業界を志望した動機しか回答できていません。ゆえにコミュニケーション能力に乏しい人、質問をしっかりと聞いていないと人と判断される可能性もあります。
憧れだけでなく、自分が入社したらどのように結果を出すのか、どう利益に貢献するのか、これが伝わる志望動機でなければいけません。
「好きなブランドなので」「よく利用しているサービスなので」といった志望動機も同様にNGです。
NG例5:「御社で色々なことを学びたい」「成長したい」などの志望動機
「御社で色々なことを学びたい」「勉強させていただきたい」「成長したい」といった志望動機はNGです。学生気分が抜けていないと判断されます。
そもそも会社は学校ではありません。スキルや経験は社員が勝手に身につけていくもので、会社が与えるものではありません。
また面接は能力を持っているかどうかを確かめる場です。ここで「成長させて欲しい」と言ってしまえば、「私には能力がないから」というようなものです。つまり、能力がないことを自分で認めてしまっているのです。
実務経験やスキルがなくても、ポテンシャルがあれば採用されるケースがあります。しかし、自分からわざわざ「能力がありません」などと表明する必要はないのです。
面接では、利益を上げるために「自分がどう貢献できるか」をアピールする場です。「ギブ&テイク」のギブを話す場であり、応募者は「ギブ」を話すのが鉄則です。
未経験の仕事であっても、自分なりに貢献できる点をアピールしましょう。
NG例6:「やる気だけは誰にも負けません」という志望動機
「やる気だけは負けません」「やる気だけはあります」といった志望動機はNGです。
「やる気」があるのは当然です。「やる気」がない人を採用したい企業はありません。わざわざアピールしても、評価は得られません。
「やる気」だけでなく「実際に何ができるのか?」「どのような点で企業に貢献できるのか?」を具体的に説明する必要があります。
これが説明できないと、ひとりよがりな無責任発言となります。
またやる気をアピールする場合であっても、具体的に何をどう頑張るのか、具体的なプランも一緒に述べることができれば、好印象になります。
「どのような点で企業に貢献できるのか?」も一緒に述べた上で、「入社まで30日あります。それまで業界・業務について勉強し、1日でも早く戦力になれるように頑張ります」といったように付け加えると評価される場合があります。
NG例7:やりがいのある仕事がしたくて志望した
「やりがいのある仕事がしたいので志望した」はNGです。
どんな仕事や環境でも考え方次第でやりがいを見つけることは可能であると考える人もいます。
また「やりがい」は企業が与えるものではなく、社員自らが考えて得るものだという考えの人もいます。つまらない仕事はいくらでもありますが、「やりがい」を会社に求めると他責的な人間だと思われます。
さらにいえば「やりがい」と企業の利益はまったく別物です。
「やりがいがほしい」ではなく、「〇〇というスキル・経験を活かして御社に貢献できる」といった実利に訴える志望動機をしっかり述べるべきです。
NG例8:新しいことに挑戦したくて志望した
「新しいことに挑戦したい」は前述の「成長したい」と同様、要注意な志望動機です。
漠然と「新しいこと」と述べると、目標やキャリアプランが明確ではないことが露呈してしまいます。転職の目的や計画性がない人間だと判断されてしまいます。
これは「大きい仕事に関わりたい」「名前が残るような仕事をしたい」などの志望動機も同様です。漠然としているのでNGです。そもそも、会社の利益にどう貢献するのかについて述べていません。
「どういう分野で、何を取り組みたいのか」といった具体的な目標を述べること、また繰り返しになりますが、会社の利益にいかに貢献できるかをアピールするのが先決です。
NG例9:大手だから志望した
「大手だから」といったように、安定志向と判断される志望動機は印象が悪いです。
「安定志向の人は積極性に欠ける」とネガティブな印象を持たれがちだからです。
ただし「大手だからこそ、その資本や知名度を活用してできる仕事がある、活躍できる現場ある」といったように、大手でしか実現できないことに言及すると、納得してもらえる場合があります。
大手を志望する場合は、「大手だからこそできること」に焦点をあてて志望動機を考えるようにしましょう。
NG例10:社会に役立つ仕事がしたい
「社会に役立つ仕事がしたいので御社を志望しました!」はNGです。
真っ当なビジネスをしている会社で社会の役に立っていない会社は存在しません。何かしら社会の役に立っているからこそ利益を上げることができ、会社として存続できているのです。
また「そんなに役に立ちたいならボランティアをしてみれば」と面接官に返されてしまいます。
企業側が求めているのは利益に貢献してくれる人であり、福祉の精神が旺盛な人ではありません。その点を忘れないようにしましょう。
【おわりに】志望動機を伝える際のポイント
企業研究・情報収集を徹底的にした上で志望動機を考える
良い志望動機を述べるためには、情報収集が欠かせません。
会社の経営方針、職種、商品やサービス、社長の人格など、より具体的な情報を志望動機に含めれば、応募企業に対する熱意を採用側に示せます。
できるだけ企業の商品やサービスを実際に利用しましょう。実際に利用することで、同業他社と比べて、どのような点で優れているのか、どのような点で劣っているのかを具体的に把握できます。店舗がある場合は訪問しておくのがおすすめです。
また社長が著書やインタビュー記事、ブログ、SNSなどもしっかりチェックしましょう。共感した点があれば、志望動機としてアピール可能です。
活かせるスキル・経験もしっかりアピールする
中途採用にで求められるのは即戦力です。スキル・経験をアピールし自分がいかに「使える人材であるか?」を理解してもらいましょう。
第一にスキル・経験をアピールする。その後に、企業への思いを伝える。
この2段構えで志望動機を述べることで、ありきたりな志望動機、どうこでも通用する志望企業になるのを避けられます。
まず、私が前職で培った新規開拓の営業経験・スキルを御社で活かせると思ったからです。御社の営業スタイルは、新規開拓が8割だと伺いました。私は前職で新規開拓のノルマを毎月クリアし、成績優秀者として社内で表彰された経験もあります。業界が違っても、この経験、スキルは活かせると確信しています。
また御社では成果を適正に評価する独自の評価制度があり、その点に大変魅力を感じています。前職にはそのような評価制度がありませんでしたが、成果を適切に評価してくれる制度があれば、モチベーションもあがり私の強みも活かせると思いました。以上が志望した理由です。
また自分にしか語れないことを意識すると説得力が増します。
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