仕事ができない人、ひきこもりや生活保護受給者、ニートといった定職に就けなくて不安定な生活を送っている人。
そういった自力でお金を稼いでいけない人や、周りの人が当たり前にできていることができない人に対して、
「努力が足りない」
「すべて自己責任だ」
と突き放す人がいます。
しかし、本当に本人の努力が足りないことが原因なのでしょうか?
努力していたら180度違った生活を送っていたのでしょうか?
貧しい家庭で育った人が成り上がったという話はよく聞きます。しかしそれは一部の人であって、誰もが努力一つで成り上がれるわけではありません。
それなのにどんな人に対しても「努力が足りない」と自己責任論を押し付けるのは間違っています。
そこまで物事は自分の努力次第でどうにかなるものではないでしょう。
いらく努力してもどうにもならないことがある
世の中にはいくら努力してもどうにもならないことがあります。
たとえば、20代になってからプロ野球選手を目指して、努力しても、その夢を叶えるのはほぼ不可能です。
極端な例ではありますが、他にもいくら努力しても、どうにもならないことはたくさん有ります。
仕事も同じで、どれだけ努力してもうまくできないことがあります。
学力や能力は遺伝や育った環境で決まる部分が多い
いらく努力してもどうにもならないことの1つは、遺伝や育った環境による能力の差です。
私達は親を選べません。どれだけ優秀な両親の子として生まれたいと願っても。
どんな大人に育つかは、育った環境や遺伝に依ります。
たとえば親の年収や学力。
親の年収・学歴は子供の学力に影響する
家庭が裕福かどうかは、その後の人生に影響します。
これは調査結果でも明らかになっていることです。
たとえば、裕福な家庭に生まれた人の方が学力が高くなるそうです。
2014年、文部科学省が発表した「全国学力・学習状況調査」の分析結果によって、年収の高い家庭の子どもほど成績が高い傾向にあることが判明しました。
子供の頃の学力によって将来がすべて決まるわけではないでしょう。
しかし、親の年収や学歴が子供の学力に影響を与えているのは確かなのです。
大人になってからも親の力は大きい
また、子供の頃だけでなく働くようになってからも、親が裕福かそうでないかは大きく影響します。
その人の仕事がまったくできなくて人間的にもすごく嫌いな奴だったとしても、金持ちの家に生まれれば援助してもらったり資産を引き継いだりしてなんとか生きていける。
でも貧乏だとそうはいかない。お金がないと嫌なことや向いていないこともやらなきゃ生きていけない。
※引用:ニートの歩き方(pha)
親が裕福なら様々な方面にコネがあるかもしれません。
それを使えば何とか食べていけるでしょう。
マンションや土地、家を親が持っているのなら、最悪それを使って生活可能です。
ただ、親が貧しければそうもいかないでしょう。
このように、どんな家庭に生まれるか、どんな親かは、あなたの人生に大きな影響を与えています。
あなたの人生がうまいくいかなくても、それがすべて自己責任であるとは、到底断言できないのです。
環境のせい、(育った環境、親のせい)とも言えるのですから、「自己責任論」なんてまったく気にする必要はないのです。
世の中は予測不可能なことで溢れているから自己責任とはいえない
地震や事故、病気といった突然の災難。
リストラ、会社の倒産、身近な人との死別など、人生は予測不可能なことばかりです。
たとえば、リーマンショックの時は、たくさんの優秀なビジネスパーソンが職を失いました。
夢を持って努力しても、災害があれば、すべて水の泡になります。
景気の変動や災害は自分の力ではどうもできません。
そんな予測不可能な世の中。
「すべて自己責任」などとはいえません。
死ぬほど努力してもどうにもならない時だってある
不確定要素は無数にあります。
「努力をすれば人生を変えられる」
「努力が足りないからダメなんだ」
とニートやひきこもりのような自分でお金を稼いでいけない人を責めるのはおかしな話です。
努力して成功した人もいるでしょう。しかし、それが稀なケースであるにも関わらず、一般化してしまい「努力すれば誰だって成功できる」とするのはおかしいですよね。
自己責任論を振りかざして、仕事ができない人、ニートやひきこもり、周りが普通にできることを普通にできないような人達を追い詰めてしまうのは良くないことなのではないでしょうか。
また、こちらの本では、必ずしも努力が報われるわけではないということ、努力は遺伝に勝てないということが解説されています。
どうすれば幸せになれるのか、どうすればいい生活を送れるのか、といった疑問のヒントも得られるので、仕事や人生に悩む方におすすめです。