多くの人は会社に通うという行為を嫌々ながらも毎日こなしています。
満員電車に乗って、嫌いな人にも笑顔で接しなければいけない時があっても、何だかんだ我慢しながら生きている人がほとんどです。
しかし、世の中には何だかんだ我慢することができない人もいます。
こちらの本はそんな、多くの人が嫌々ながら当たり前のようにこなしていることの数々(通勤や通学)がどうしてもできない人の話です。
なぜ、京都大学卒で自らニートになったのか?
定職に就くことなく、自らが公開するブログ、webサービス、出版した本による収入のみで生活をしているニートの歩き方の著者phaさん。
phaさんはあの名門国立大学「京都大学」を卒業後、普通に就職。
しかも就職した企業は嘘みたいなホワイト企業。
安定した収入と生活を約束されたも同然の生活を得たのです。
しかし、phaさんはそのとても魅力的な環境を捨ててまでニートになりました。
超ホワイト企業でも苦痛
一日二時間か三時間もあれば仕事は終わるし、あとはパソコンに向かって仕事をするふりをしながらインターネットでもしていればいい。
著者が入社した企業は超ホワイト企業です。毎日終電で帰る人にとっては天国のような職場のように思えます。
ただ、それでも仕事が苦痛で耐えられなかったのです。
嘘みたいに恵まれた職場だと思うんだけど、それでも僕には苦痛だった。
仕事をしなくてもいいと言っても、毎朝決まった時間に起きて通勤ラッシュの時間帯に電車に乗って通勤しないといけないし、仕事はなくても一日八時間くらい椅子に座っていないといけない。
<中略>
定年まであと三十年以上も週に五日も決まった時間に起きて満員電車に乗り込んで通勤して、毎日無気力にスパイダソリティアをプレイするという生活を続けるのだろうか。それはちょっと気が狂いそうだ。
毎日忙しくて寝る時間もないような生活も苦痛ですが、毎日パソコンに向かって仕事をしているふりをしているのも苦痛です。
人間いつ死ぬかわからない
せっかく生まれたんだから世界のいろんな場所に旅行したりしてみたいんだけど、次に長期の休みが取れるのはいつだろうか。有給休暇を使ってもせいぜい年に一回二週間ぐらいの休みだった。
<中略>
老後の安定のために働いたとして、40歳か50歳くらいで事故にでも遭って死んだら全く意味がないじゃないか。
欧米の企業などでは1か月、2か月の長期休暇をとれるらしいのですが、phaさんが言うように日本の企業で会社員をやっていると長期休みなんてとることはできません。
また、人間なんていつ死ぬか分かりません。交通事故や電車事故は毎日のように起きていて、いつ自分の身に起きてもおかしくないほどです。
最低限の生活さえできればそれで十分
最低限の生活ができるレベルの収入をネットから得ている著者は、別に最低限の生活できればそれでいいと書いています。
いい服をきて、いい車にのって、いい家に住みたいという人もいるでしょう。
しかしそうでなくても、時間に縛れない人生を送れるのなら幸せだ、という人もいます。
著者のphaさんはだからこそニートになったのです。
人生はいつ終わるかわからない
冒頭で紹介した本に書かれていたように、老後がくる保障なんてありません。
「今の仕事が辛くて辞めたい。でも3年は勤めろって言われるから辞められない。」
周りの声や、都市伝説のような「3年は続けろ」が引っかかって退職に踏み切れない人もいるでしょう。しかしもし、明日死ぬとしたら、それでもその仕事を続けますか?
実感はわかないかもしれませんが、その可能性はゼロではないのです。
「今の仕事を続けていたら後悔するかもしれない」
「会社員を続けていたら後悔するかもしれない」
もしそんな気持ちあるのなら「ニートの歩き方」の筆者のように勇気をだして会社を飛び出してみてください。
別にニートになるためにではなく、自分にあった仕事、働き方を見つけるためにです。
後悔した場合は「仕方がない」と諦めることも大切
いざ会社を辞めたら後悔するかもしれません。しかし会社を飛び出せないまま終わる人生もまた後悔するに決まっています。
どうせなら楽しいと思う方向、正しいと思う方向に進んだ方が後悔は少ないでしょう。もしかしたら最高の人生を手に入れられるかもしれないのですから、挑戦しない理由はありません。
スティーブジョブズのように「今日が最期の日」だと思って毎日を、一分一秒を大切に生きましょう。
筆者のブログ⇒phaの日記
※その他、参考記事