仕事で能力を発揮できない場合や職場で良好な人間関係を築くことができない時、「自分が劣っているからだ」と全部自分のせいにしてしまう人がいます。
しかし自分にすべての原因があると考えてしまうのは間違いです。周りの人や組織など、環境のせいにしてもいいのです。
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仕事ができないのは環境のせいである!その理由とは?
仕事ができないのは環境のせいにしても大丈夫です。その理由は、仕事は自分でコントロールできないことばかりだからです。
仕事は自分でコントロールできないことばかり
いうまでもなく会社は組織です。会社という場所、会社が整備したインフラ、会社が雇った社員さんと一緒に仕事をして、1つの1つの仕事をこなしていきます。
同僚や上司から急に仕事を頼まれることや、取引先のありえないミスをする可能性があります。会社のパソコンのスペックが低くてて能力を十分に発揮できない場合や、オフィスの椅子が壊れていて全く仕事に集中できない場合だってあります。
仕事は、いやそもそも人生は不確実なことで溢れています。
哲学者の國分功一郎は『中動態の世界 意志と責任の考古学』のなかで、人間は自分の意志で動いているのかについて疑問を投げかけています。
この本を読むと、自分がしてしまった過ちの原因が、すべて自分にあるとはまったく思えなくなります。
仕事もそうです。1時間後にどんなトラブルが他人によってもたされるのか、まったく予測できません。仕事において、自分でコントロールできことはないのです。
だから仕事でミスをしてしまったとしても、それは自分だけの責任とはいえません。
- 連日仕事が忙しくて疲れが溜まっていた
- 他の仕事忙しすぎて集中できなかった
- 上司や同僚の指示が間違っていた
- 周りの社員がうるさくて仕事に集中できなかった
といったように仕事を完璧にこなせなかった要因は探せばいくらで出てきます。仕事で失敗した原因を自分のせいにするのは完全に間違っているのです。
謙虚な姿勢は大人として素晴らしいことかもしれません。上司に言い訳する時は「自分にも至らない点があった」と説明した方が、事が丸く収まります。
しかし、すべてが自分のせいだと思い詰めてしまっては精神衛生上よくありません。心のなかではすべて環境のせいにしてしまいましょう。
能力を発揮できるかどうかは環境しだい
会社での仕事は自分でコントロールできないことばかりです。ゆえに能力を発揮できるかどうかは、環境に影響されます。
脱社畜ブログの日野瑛太郎さんは『脱社畜の働き方~会社に人生を支配されない34の思考法』
で次のように述べます。
結局、人がどのぐらいのパフォーマンスを発揮できるかは、環境や周囲の人間に影響されるところがかなり大きい。中には、どんな環境でも関係なく結果を出せる人がもしかしたらいるかもしれないけど、こういう人はかなり稀だ。
たまたま、今いる環境が自分の適性と合っているだけなのにも関わらず、自分はどこに行っても同じように働くことができる、と勘違いしている人も少なくないと思う。
そうやって勘違いをしている人が、たまたま環境のせいで能力が発揮できない人を責めたりすることがあるからひどい。
誰だって、環境しだいでは上手く働けなくなるようなことは起こりうるのだから、もう少し相手の立場になってあげればいいのに、と思う。
仕事で成果を発揮できないのは、職場や職種、職場の人間関係など、環境が原因の可能性があります。転職をむやみすすめるわけではありませんが、環境を変えたら力を発揮できる可能性は十分にあります。
私たち人間は環境からかなりの影響を受けています。これはフランスの哲学者が19世紀から20世紀にかけて解き明かしてきたことです。構造主義や構造人類学などと呼ばれるもので、人間は話す言語や所属するコミュニティによって大きく影響を受けていることが証明されています。
そもそも人間に自由な意志があるかどうかも怪しいと言われています。ですから、もっと他人のせい、環境のせいにしてしもいいのです。もちろん「お前が悪い」「環境が悪い」と表立っていうのは、幼稚だと思われてしまうのでおすすめはできませんが、自己責任はありえないということを知っているだけでも、楽に生きられるうようになるはずです。
また今の環境が本当につらいのなら、早いうちにその環境から逃げてしまうのも一つの手です。転職すれば、案外すんなり、人生がうまくいくようになるかもしれません。