ここではベンチャー企業で働くメリットや、ベンチャー企業の実態について、実際に働いた経験から紹介します。
ちなみにベンチャー企業といって定義は曖昧ですが、ここでは社員数10人前後、創業5年程度の企業について言及します。
ベンチャー企業の詳しい定義については以下の記事が参考になります。
※「ベンチャー企業」の定義とは?中小企業やスタートアップとの違い – マイナビエージェント
ベンチャー企業で働くメリット
メリット1:爆速で成長できる
ベンチャー企業で働く大きなメリットは、様々なスキルや知識を早く得られることです。
人数が少なく、大企業のように部署がいくつも分かれているわけではないので一人当たりの仕事量は多くなります。ゆえに、様々な業務に携わるチャンスがあるので、知識・スキルがどんどん身につくのです。
また限られた時間の中で膨大な業務を終わらせなければいけないので、仕事を効率化する術は黙っていても身につきます。自己啓発本なんて読む必要はないほどです。読む暇もありませんが。
プレッシャーが大きいので成長できる
今は大企業でもいつ潰れるか分からない時代と言われています。それでも突然潰れる確率はベンチャー企業の方が遥かに高いでしょう。
社員一人が適当な仕事をしただけ大きな損害発生する可能性もあります。当然、自分も適当に仕事をこなすことなど許されません。
そういったプレッシャーのなかで毎日仕事をするのは精神的に辛いときもあります。しかし、成長できることは間違いありません。
メリット2:社長との距離が近い
とにかく社長との距離が近いです。社長も他の社員と同じ場所で、同じように仕事をしています。一緒にランチに行ったり飲み言ったりする事もあるほどです。
社長が雲の上の存在である大企業では想像もできないことでしょう。
社長との距離が近いので、今後の会社の方針を社長の口から直に聞けます。
また社長に対して直接意見をいう機会もたくさんあります。
「こんな事業をやってみたい」「こんな改善をしてみたい」といった意見を、ほぼいつでも、社長に直接伝えられる環境なのです。
この点はやはり小規模ベンチャー企業のいいところです。
メリット3:すぐに仕事を任せてもらえる
ベンチャー企業で仕事をすぐに任せてもらえます。そもそも社員が少ないので、どんどん任せかないと仕事が回らないのです。
大企業のように何ヶ月研修を受けることはありません。入社当日に仕事を任されるほどです。
また一通り仕事を覚えたら自分の裁量で仕事を任せてもらえる場合もがあります。
入社から半年で普通の社員として普通に仕事をこなしていくことになります。これは大企業では決して体験できないことでしょう。
仕事を任せてもらえる分、責任も大きいです。忙しさやプレッシャーもあります。
これをメリットと考えるか、デメリットと考えるは人それぞれだと思いますが、こういった環境を楽しそうさと思えるならベンチャー企業を目指すべきでしょう。
メリット4:変化が早い(業務改善などが早い)
朝令暮改という言葉がありますが、ベンチャー企業はまさにそうで、朝に決まったことがその日のうちに改善されています。
そもそも社員の数が少ないので、業務の改善や方向転換は早いです。また意見が通りやすいので、悪いと思ったとろこはすぐに変えてくれる場合があります。
大企業では根回し、会議、稟議など、物事を変えるのに気が遠くなるような手続きがあります。もちろん慎重に物事を決める大切さもあるのですが、そういった大企業のノロさにうんざりしているなら、ベンチャー企業は最良の環境かもしれません。
メリット5:あっという間に1日が終わる
出社したと思ったらあっという間に夜になっています。それというのも忙しいからなのですが、今の職場で1日を長く感じている人にとっては大きなメリットかもしれません。
ベンチャー企業は暇な時間はほどほとんどありません。当然1週間、1か月もあっという間に過ぎていきます。
仕事中心の生活になる可能性もあるので、それが嫌な方は仕事の量をうまく調整する必要があります。
ベンチャー企業の実態
続いてはベンチャー企業の実態について紹介します。ある意味、ベンチャー企業のデメリット的な話でもあります。
また冒頭で紹介したとおり、ベンチャー企業といっても様々です。紹介した内容のすべてが当てはまるわけではないのでご注意ください。
忙しい
メリットの部分でも紹介しましたが、ベンチャー企業は忙しいです。
中途採用を行うような企業であれば、事業が拡大している真っ最中なので特に忙しい可能性が高いです。
人手不足にもかかわらず、事業が拡大しているので、仕事量はどんどん増えます。平社員と同じように、社長も膨大な量の仕事をこなし、とにかく仕事をこなし、成果をあげることに奮闘します。
ちなみに私がベンチャー企業に転職した時、定時で帰れたのは、入社当日だけでした。必要であれば休日も仕事をしなければいけません。
定時なんてあってないようなもので、残業が当たり前。家に着いてからもまた仕事したり、寝る時間を削らなければいけない日もありました。
最近ではちゃんと定時で帰れるベンチャー企業も増えているようですが、そうでない企業もたくさんあります。
ベンチャー企業に転職を考えているなら、転職前に労働環境をしっかりチェックしておくべきです。そして、プライベートを犠牲して仕事に打ち込む覚悟が自分にあるのか、確かめておくべきです。
福利厚生は最低限である場合も
誕生日休暇があったり、リモートワークが可能であったり、婚活支援制度があったり、福利厚生が充実しているベンチャー企業もあります。
一方で、私が勤務していたベンチャー企業の福利厚生は、最低限という感じでした。
たとえば、みなし残業制を導入しており、残業や休日出勤をしても、給料は変わらないという場合があります。
住宅手当、誕生日休暇などもありません。通勤手当はあっても、月1万円までと決まっていたりします。
もちろん企業ですので、有給休暇や、健康保険のような、基本的な制度は存在しますが、充実しているわけではありません。
福利厚生を求める方は、絶対にベンチャー企業で働かない方がいいでしょう。
ベンチャー企業で働き続けられるのは、会社の方向性、社長の信念に共感し、労働条件を捨ててでも、仕事に夢中になれる人だけです。
マニュアルが存在しない・前例のない仕事を任される
新しいビジネスにどんどん挑戦していく、ベンチャー企業では、前例のない仕事を任されることがあります。
ベンチャー企業の醍醐味でもあるのですが、前例がない仕事なので、マニュアルもありませんし、上司や先輩を頼ることもできません。
自力で仕事の進め方を模索し、何とか仕事をやり遂げないといけない、そんな状況になることが多々あります。
いつ潰れるかわからない不安がある
よく言われることですが、ベンチャー企業は不安定です。
大企業もいつ潰れるか分からないと言われる時代ですが、やはり大企業に比べるとベンチャー企業はもろいです。
やはり企業規模も売上規模も小さく、また収益の柱となる事業も少ないので、何かあれば会社が傾きます。昨今のパンデミックなどはまさに大打撃となっているでしょう。他にも自分の失敗、同僚の失敗、社長の判断ミスも大きな打撃になりえます。
極端な話、明日には会社が無くなっていることさえあり得るのです。
潰れるリスクを背負う分、ベンチャー企業では圧倒的成長できます。明日会社が潰れても転職先がすぐに見つかるぐらいのスキル・経験を得ることはできるはずです。
ワンマン経営になりやすい
小さい企業では社長が絶対の権力者です。良くも悪くも社長の一声で物事が変わります。
優秀な社長であれば、ワンマンでもどんどん会社は成長していきます。一方で、社長が悪い方向に暴走しはじめると、誰も止められません。そのまま倒産、あるいはブラック企業化します。
ベンチャー企業に転職する場合は、社長をしっかり見ておくことをおすすめします。「この社長なら大丈夫そうだ」と思える企業に転職するようにしましょう。
精神的・身体的にも追い込まれる
新しい仕事を任された場合、周りに教えてくれる人がいないので、すべて手探りで仕事を進める必要があります。
当然、時間はかかります。睡眠時間を削り、休み削って仕事をしなければいけない状況になり、身体的にも精神的にも追い込まれます。
この状況を「貴重な体験をさせてもらっている」と考えることができなければ、ベンチャー企業で働くことはできません。
私の場合は、海外の企業と提携して日本向けにスマホアプリをリリースする事業を任されたことがあります。
社内では初めての試みなので、何もかも手探りでした。英語の契約書を解読したり、こちらの提案を英語で伝えたり、時差のあるカナダの担当者と昼夜問わず、連絡を取り合っていました。
かなり苦労しましたし、すべてを投げ出したくなることは何度もありました。しかし、振り返ってみると、他の企業では体験できないような、貴重な経験ができたのではないかと思っています。
ベンチャー企業といっても様々
繰り返しになりますがベンチャー企業といっても様々です。
ベンチャー企業を自称していても、大企業とほぼ変わらない動きが遅い企業の場合もあります。
せっかくベンチャー企業に転職して「思っていたベンチャー企業と違う」となってしまうのはもったいないです。
入社前に理想に当てはまるベンチャー企業かを転職会議のような、企業の口コミサイトを使って調べるようにしましょう。
ベンチャー企業の空気を感じたいなら社員数一桁の企業がおすすめ
本当にベンチャー企業で誰よりも成長し、やりがいのある仕事をしたいのなら、社員数が一桁の小規模なベンチャー企業がおすすめです。
私が現在所属している企業は社員数7名です。今回紹介したメリットとやりがいは、ほとんどが今の企業での経験をもとに書いています。
「誰よりも成長したい!」
「スキルを身に着けたい!」
「大きな裁量を持って仕事がしたい!」
そんな熱い想いを持っているのなら社員数一桁の企業を狙いましょう。
ベンチャー企業の求人を探すのに役立つサイトは、以下のページでまとめています。
ベンチャー企業への転職で参考になる本
ベンチャー企業の実態を知るら以下の本がとても参考になります。
AbemaTVやアメブロなど数多くの事業を手掛けるサーバーエージェンの代表、藤田晋さんの創業から最近までの苦悩が紹介されており、名著との呼び声もある一冊です。
ベンチャー企業に対するイメージが変わるかもしれませんが、ベンチャー企業を目指すなら読んでおいて損はない一冊です。