「やりたい仕事がわからない」
これは多くの社会人が抱える悩みでもあります。本やネットにはやりたい仕事探しに関する情報が溢れています。
しかしはっきり言って「やりたい仕事探し」なんて無意味です。
その理由は次のとおりです。
- どんな仕事でもつまらなくなる可能性がある
- どれだけ探しても「やりたい仕事」が見つからない可能性がある
やりたい仕事探しは徒労に終わる可能性があります。
ゆえにやるべきことは「やりたい仕事探し」ではなく、「絶対にやりたくない仕事を避ける」ように仕事探しをすることです。
これが本記事の結論です。
では、まずやりたい仕事を探すことがなぜ無意味なのかを解説します。
理由1:どんな仕事でもつまらなくなる可能性がある
「仕事」とは、つまらない要素が満載です。時間や場所、人間関係に縛られ、やりたくないことも業務命令であればやらなければいけません。
仕事がなくなるかもしれないと焦り、不安になることも日常茶飯事。出世や転職、年収を上げるためにはスキルや経験を積み、ときにはライバル社員を蹴落とす必要もあります。
不安、焦り、面倒くささ、苦痛、イライラ。ネガティブな要素を根こそぎ集めたものが「仕事」です。
仮にやりたい仕事を見つけ、その仕事についたとしても、このようなネガティブ要素の集合体である「仕事」に対して面白み、やりがい、充実感を抱けるでしょうか。
たとえやりたい仕事に就けたとしても、日曜の夕方には憂鬱になり、金曜にはテンションが上がる、そんな毎日を過ごすことになるはずです。
やりたい仕事に就けたとしても、つまらなくなる可能性があるのです。
ならばやりたい仕事に就くことも、そもそもやりたい仕事探しに時間を費やすことも無意味。やりたい仕事探しなど諦めて、他のことに時間を使う方がいいのではないでしょうか。
理由2:やりたい仕事が見つかるとは限らない
世の中にはやりがい、楽しさを一生感じられるような「天職」というものが存在するかもしれません。
しかし誰もが天職に就けるとは限りません。実際、多くの人は「天職に就きたい」と願いながらも、つまらなくてつらい仕事に就き、一生を終えます。
天職(やりたい仕事)が見つかるかどうかは運しだい
恐らく天職につけるかどうかは、よほどの強運がなければいけないのでしょう。
ある仕事が自分にとって天職かどうかは、人から聞いた情報やネット・本の情報だけでわかることではありません。その仕事を実際に経験してみてわかるものです。
「これが自分のやりたい仕事だ」と思っていた仕事に就いたとしても、最初の半年は楽しいが、そのうち辛くなり辞めたいと感じるようになる場合があります。
食べ物の広告には「イメージと実際は異なる場合があります」とよく注釈が加えられることがありますが、仕事もまさにそうなのです。
だから天職を探すには、色々な仕事を実際に経験して、天職かもしれない仕事候補を潰していく必要があります。
しかし一生のうちに経験できる仕事の数には限界があります。天職かもしれない候補を1つひとつ潰していけるほど、人生は長くはありません。転職も簡単ではありません。
天職に見つけられるかどうかは運しだいなのです。
ならば最初から天職探し・やりたい仕事探しなど諦めて、別のことの時間やお金を費やしたほうがいいのではないでしょうか。
「やりたくない仕事」を避ける仕事選びを
「やりたい仕事探し」は徒労に終わる可能性が高いです。
ならば「やりたい仕事探し」は諦め、逆に「やりたくない仕事」を避ける生き方をすべきです。
そして仕事は仕事だと割り切り、仕事以外の時間を充実させるべきです。
やりたくない仕事なら簡単に見つかる
「やりたい仕事」は、本当に存在するかどうかもわからない幻のアイテムです。
一方で「こんな仕事はやりたくない」「こんな働き方は絶対にしたくない」というものなら簡単に列挙できるはずです。今までの経験からこれだけは絶対にイヤ、というものをピックアップするだけです。
そして「やりたい仕事」をやらずに済む仕事に就くこと。
これによって「仕事」という活動から受け取るネガティブな効果を最大限に軽減し、残りの時間・エネルギーを仕事以外に活動に費やすのです。これによって人生を最大限充実させるのです。
要するに仕事は結局つまらないものとして諦めるて、仕事以外を充実させる、これが何よりも大切です。
仕事に人生の充実を求めることがいかに幻想であるか。これについては以下の本で解説されています。
[amazon asin=”B00DNO3FZW” kw=”「やりがいのある仕事」という幻想”]
著者は『すべてがFになる』で有名な森博嗣です。